ヒマ種子油に関する研究(第1報) : ヒマ種子の生育条件,成熟度と油脂の性状および脂肪酸組成について
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概要
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ヒマ種子は成熟過程において,その初期では油脂の性状が変わるが,後半では主として油脂含量が増加する.酸価,ヨウ素価は初期の油脂では大きく,成熟するにつれて減少し,一定値となった.成熟時期の気温の影響については,ヒマ油脂中の油脂含量は平均最高温度31〜33°の間で最高に達した.また低温のもとで成熟した種子の油脂は高温のもとでの油脂に比較してアセチル価が大きかった.〓果の付着部位と気象条件の影響を調べた結果,〓果の付着部位の影響よりも気象条件の影響の方が明らかに認められた.完熟したヒマ種子は油脂を45%も含有しているが,油脂中の遊離脂肪酸はわずか0.3%である.開花後日数16日の未熟種子では油脂含量は1%であるが,そのうちの36.5%は遊離脂肪酸である.未熟種子油中には完熟種子油中に少ない炭素数10〜14の脂肪酸が比較的多く存在していた.ヒマ種子油の脂肪酸のガスクロマトグラフィーで5種類の未確認物質を検出し,そのうち2種は未熟期の種子油脂中,しかも遊離脂肪酸中にのみ見出された.
著者
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岩狭 与三郎
大阪府立大学教育学部農芸化学教室
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竹内 芳一
大阪府立大学農学部農芸化学科
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櫛笥 隆弘
大阪府立大学農学部農芸化学科
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野口 知雄
大阪府立大学農学部農芸化学科
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高良 忠
大阪府立大学農学部農芸化学科
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