ヒマ種子における脂肪酸の代謝(第2報) : ヒマ種子成熱過程における胚乳中のthiokinase活性について
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概要
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(1) ヒマ(Ricinus communis L.)未熟種子の胚乳中のチオキナーゼ活性を成熟過程を通じて測定した,比活性は種子の成熟に.したがい増加し,第4期(受粉後15日)にいたって最高値を示した. (2) 細胞内でのチオキナーゼ活性の強い部分は,第4期までミトンドリア分画にあり,それ以後はミクゾーム分画において強いことが認められた.またスーパーネイタント分画の活性は全期を通じて前二者に比して弱かった. (3) チオキナーゼの最適温度は37°C付近で,高温部で急に低下した.また最適pHは7.6付近で,アルカリ側では活性がいちじるしく低下した. (4) チオキナーゼは基質特異性を示し,不飽和酸であるオレイン酸,および飽和酸のステアリン酸には活性が強く,水酸基を有する脂肪酸のリシノール酸に対しては活性は前二者に比較して弱かった. (5) 硫安分画法により酵素の精製を試み,アセトン粉末の約6倍の活9を有する酵素調製物を得た.
著者
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