サゴ澱粉の褐変に関与するポリフェノール化合物
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概要
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サゴ澱粉の着色機構の解明,着色防止方法の開発を目的とし,サゴヤシ髄のポリフェノール化合物の解明を行った. メタノールで抽出されたポリフェノール化合物をペーパークロマトグラフィーで調べたところ,少なくとも9種類のポリフェノール化合物を検出した.このうち2種類が強く, 1種類が弱く酸化酵素処理で呈色した. この3種類のポリフェノール化合物を単離し構造を解析したところ, DL-エピカテキン, D-カテキンおよびプロシアニジンであることが判明した. それぞれの化合物を粗酵素液と反応させ,反応の前と後との差スペクトルを測定したところ, DL-エピカテキンとD-カテキンでは可視部に吸収が現れた. 以上のことより,サゴヤシ髄の褐変,サゴ澱粉の着色は,主にDL-エピカテキン, D-カテキンが酵素酸化を受け,着色物質を生成するために起こることが明らかになつた. 本研究は筑波大学熱帯農林資源特別プロジェクトの-部として行われ,研究の概要は第3回国際サゴヤシ・シンポジウム(昭和60年5月,東京)で発表した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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