カンキツ幼樹の生育に及ぼす土壌反応の影響 (第1報) : チッ素肥料の形態とpH調整剤について
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概要
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1) 温州ミカンの生長に対する好適土壌pHを杉山系の1年生苗木を用いて実験的に調査した。すなわち, 酸性鉱質土壌のpHを消石灰と硫黄華 (Ca-S), あるいは水酸化バリウムと硫酸 (Ba-SO4) の組み合わせでいろいろの値に調整した。さらに与えるN肥料の形態をNH4-NあるいはNO3-Nと変えてみた。2) その結果, pH調整剤がCa-Sの場合にはBa-SO4の場合よりも樹体の生育が一般にすぐれた。またN肥料のNH4-N区ではNO3-N区に比べて生育がすぐれ, しかもその好適pHは後者におけるよりもやや高い値を示した。3) ポット内土壌の置換性Ca, MgはpHが低くなるにつれて減少したが, 他の要素については一定の傾向が認められなかつた。4) 樹体内のN,P,K,Ca,Mgの総吸収量が最大になる土壌pHはNO3-N区におけるよりもNH3-N区で高かつた。Mnは葉と根部に多く蓄積され, とくに細根内含量が著しく高く, この要素の吸収量はNH4-N, NO3-N両区とも土壌pHが低くなるにしたがい増大した。
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