温州ミカンの水分均衡に関する研究 (第2報) : 葉のW. S. D. 測定法における二, 三の問題点と土壌水分, 施肥濃度が W. S. D. および見かけの同化量におよぼす影響について

概要

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温州ミカン葉のW. S. D. 測定法における二, 三の問題点を検討するとともに, W. S. D. と見かけの同化量におよぼす土壌水分と施肥濃度の影響を調査した。1. 葉のW. S. D. 測定法としては, 旧葉の葉全体を用い, 湿室容器内で葉柄のみを水中に浸漬させ, 24時間吸水させる方法が最も簡便で, かつ精度も比較的高いことが認められた。なお, W. S. D. 測定にあたつては, 葉令, 枝梢上の葉位, 着果枝と不着果枝の相違などによる測定値の変化に留意すべきである。2. 葉のW. S. D. は, 土壌水分処理の区では少湿>中湿>多湿の順で, 少湿区では著しく高い値を示し, 中湿区の2.6倍にも達した。一方の施肥濃度処理の区では多肥>中肥>少肥の順で, 施肥濃度が高くなるにつれ, W. S. D. は上昇する傾向を示した。3. 葉の見かけの同化量は, 土壌水分処理の区では多湿>中湿>少湿の順で, 少湿区における見かけの同化量の減少が顕著であつた。一方の施肥濃度処理の区では, 少肥>中肥>多肥の順であつて, 施肥濃度が高くなるにしたがい, 見かけの同化量は減少するようであつた。なお, 葉のW. S. D. と見かけの同化量の間には, 高い負の相関が認められた。
園芸学会の論文