被覆下栽培における肥培の研究 (第2報)そ菜の塩類高濃度障害について : (2) 多肥培地における果菜の生育とその無機栄養
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概要
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1. 前報に引ぎつづき培養液の溶液濃度と窒素塩濃度の高まりがキュウリ, ナス, トマト, ピーマンなどの果菜の生育ならびに無機栄養におよぼす影響をしらべ, なお硝酸塩の種類が果菜の生育, 無機栄養におよぼす影響とその種類間差をみるため実験を行なつた。2. 培養液の濃度が高まるにしたがい, キュウリが最も生育に影響をうけ, ついでピーマンまたはトマトで, ナスは高濃度培地での耐性が強かつた。3. 培養液の濃度が高くなると葉中のカリ含量が増し, 上位葉のカルシウム含量が減じた。4. 培地の窒素塩濃度を NaNO3 または Ca(NO3)2 で高くした場合, ナスが高濃度に耐え, キュウリは高濃度培地で生育がわるくなつた。ピーマンは NaNO3 の濃度が高いと他の果菜にくらべて生育がとくにわるかつた。5. 培地に NaNO3 を多くくわえると葉のカリ, カルシウム, マグネシウム含量が減じたが, とくにナスの葉のマグネシウムへの影響が著しかつた。6. 培地に Ca(NO3)2 が多いときも地上部のマグネシウム含量が減つたが, これはナスとキュウリの葉で著しく, トマトとピーマンでは茎でやや含量が減り葉では影響が少なかつた。7. 標準培養液にそれぞれ NH4, K, Ca の硝酸塩を30mM くわえた培地では, キュウリとトマトは KNO3 区, ナスとピーマンは KNO3 または NH4NO3 区で生育がよく, トマトは NH4NO3 区の生育が著しくわるかつた。地上部の養分含量への影響についてはトマトで NH4NO3区のカルシウムの減少が顕著であつた。
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