さし木中におけるさし穂内栄養成分の動向 : (第4報)ブドウ‘デラウェア’の休眠枝ざしの発根と温度並びにさし穂重量との関係
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概要
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1. ブドウの休眠枝ざしにおける発根と温度並びにさし穂重との関係を明らかにするために, 3, 5及び7gに調整したデラウェアのさし穂を供試し, 1974年には15°, 20°及び25°C, 77年には25°, 30°及び35°Cのコイトトロン内に置いて発根並びに新芽の発育状況を比較調査した.2. 両年次における新芽及び新根の発育には若干の相違がみられたが, それらを考慮に入れて2か年の成績を通してみると, さし木42日後の発根率及びさし穂当りの発根数は, いずれのさし穂重においても25°Cが最も優れ, 温度がそれよりも高くあるいは低くなるに従って値が減少した. また, 同じ温度下でのさし穂重間の比較では, 20°C下で5gのさし穂が, また15°C下で3gのさし穂がそれぞれ最も優れたほかは, 明らかにさし穂重の大きいものほど優れる傾向にあった.3. 最終掘り取り時のさし木70日後の調査では, 30°及び35°Cの高温下では発根率が低下し, その傾向は3gのさし穂で顕著であった. 発根数については, 各温度ともさし穂重の大きいものほど優れたが, 温度間の比較では5g及び7gのさし穂では25°Cで, 3gのさし穂では25°Cで最も優れた値を示した.4. さし木70日後における新芽及び新根を含むさし穂当りの総乾物重量は, いずれの温度下でもさし穂重の大きいものほど値が大であった. しかし, 同じさし穂重については, 7gのさし穂では25°Cないしは30°Cで, 5g及び3gのさし穂では25°Cでそれぞれ最高の値がみられた.5. さし木70日後におけるさし穂内炭水化物含量は, 25°Cで最高の値を示し, またさし穂重の大きいものほど値が高かったが, 窒素含量は総じてこれとは逆の傾向を示し, 25°C及び7gのさし穂で最低の値を示した.6. 以上の結果, ブドウ•デラウェアの休眠枝ざしにおいては, 温度のいかんにかかわらず本実験に供試した範囲内 (3〜7g) では明らかにさし穂重の大きいものほどさし木後の新芽や新根の発育が優れたが, 温度の影響は必ずしもすべてのさし穂重のさし穂に対して同じでなかった.
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