温州ミカンの選果荷造過程における損傷要因と損傷防止に関する研究 (第4報) : 果実に対する静圧荷重と堆積厚さの許容限界
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概要
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温州ミカン果実の砂じょう破壊を指標として, 果実に対する静圧荷重と堆積厚さの許容限界を見出すために実験を行なった.1) 温州ミカンの品種, 果実の大きさと静圧荷重による砂じょう破壊の難易について検討したところ, 普通温州に比べ早生温州の方が, また, 2L, 3L級の大きな果実に比べ, L及びそれ以下の階級の果実が砂じょう破壊を起こしやすかった.2) 早生温州のM級果実では1kg以上の荷重で1分間以内に砂じょう破壊が起こったが, 0.5kg では60時間, 0.3kgでは120時間経過しても砂じょう破壊は生じなかった. したがって, 荷重状態が長時間に及ぶ場合は0.5kg を越えないように配慮すべきである.3) 果実をばら積みした場合, 最下層のM級果実1個につき0.5kg の荷重が加わる堆積厚さは35cm 程度と計算され, 10日間にわたる堆積実験によってこれを確認したところ, 堆積厚さ33cm では, 砂じょう破壊を生ずることなく安全なことが実証され, 静圧荷重の実験から試算した堆積厚さの許容限界と一致した.
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