リンゴの果実及び子葉におけるソルビトール-6-リン酸脱水素酵素, ソルビトール脱水素酵素及びンルビトール酸化酵素の性質と機能
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概要
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リンゴ果実中に, 3 種類のソルビトール酵素が存在することを, セファデックスG-200ゲルクロマトグラフイーで確認した. 第1はソルビトール-6-リン酸脱水素酵素であり, ソルビトール-6-リン酸とグルコース-6-リン酸との相互変換を触媒し, ソルビトール-6-リン酸基質に対する至適pHは9.8, Km 値は7mMであった. 第2はソルビトール脱水素酵素で, これはソルビトールとフルクトースの相互変換を触媒し, ソルビトール基質に対する至適pHは9.8, Km 値は 125mM であった.第3はソルビトール酸化酵素で, これはソルビトールをグルコースに転換し, そのKm彿値は70mM, 前2酵素と異なり酸性側 (至適pH4.0) に活性を示した.上記3種類の酵素はリンゴ子葉においても確認された.ソルビトール-6-リン酸脱水素酵素の55%及びソルビトール酸化酵素活性の66%は100-2,000xgの細胞画分に分布し, ソルビトール脱水素酵素活性の大部分は可溶性画分に存在した.果実においては, 3種類のソルビトール酵素活性のなかで, ソルビトール脱水素酵素の活性が最も強かった. ソルビトールを活発に合成している子葉では, ソルビトール-6-リン酸脱水素酵素活性が最も強かった. ソルビトール酸化酵素活性は, 両組織とも, 3種のソルビトール酵素活性のなかで最も弱かった. ソルビトール代謝における上記3酵素の役割を, 細胞内極在性との関連において論議した.
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