ブドウ糖度を推定するためのサンプリング方法の研究
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概要
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収穫日を決定づける要因として糖度の測定方法を明確にするため,‘カベルネ•フラン’を用いて新梢の位置, 果房の位置, 果粒の位置, 及びブドウ樹が糖度測定時にどの程度影響するかを調査した.1. 調査は収穫期の9月30日と10月10日の2回実施しこのデータに4元配置の分散分析を適用し, 主効果, 2因子交互作用を全部出し, 3因子以上の交互作用を誤差eにまとめ解析した.2. 糖度は新梢の位置の差が樹によって異なることを示し, 果房の位置, 果粒の位置の差はどの樹にも共通であることが分かった (9月30日).3. 果房の位置の差は, 第1果房の方が第2果房より0.26糖度が高かった (9月30日).4. 果粒の位置の差では, 果房の上部が一番糖度が高く, 中部, 下部に行くに従っておよそ0.40ずつ糖度が下がることが分かった. さらに, 果粒の上部, 中部, 下部の糖度の差は主枝, 亜主枝, 主幹直近と行く程, その差が開いていくことも明らかになった (9月30日).5. 成熟が進むに従って果房中の上部, 中部, 下部の差は縮まり, その縮まり方は下部の果粒の糖度がだんだん上部に追いついてくることを示していた.6. 樹間の糖度の差は果房間の糖度の差よりも, はるかに測定値に影響していることが明らかになり, 一園の平均糖度を的確に知るためには, 樹を多数とる必要があることが分かった.7. 一園で30樹をランダムに選び, 各樹で1新梢を, 各新梢から1房を, 各果房から1粒をランダムに選んだとすると, 園の平均糖度はブリックス度で0.85 (2シグマ) で推定できることが分かった.8. 樹内のサンプリングは, ランダムにするのではなく, 例えば, 主枝先端の第1果房の上部の果粒というように指定した方が精度が良いし, また, その指定の仕方によっていろいろな目的に対応できることが分かった.
- 園芸学会の論文
著者
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萩原 健一
サントリー(株)山梨ワイナリー
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大井 一郎
サントリー株式会社
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奥野 忠一
東京理科大学経営学部
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萩原 健一
サントリー株式会社
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五影 勲
サントリー株式会社TQC推進本部
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五影 勲
サントリー(株)tqc推進本部
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萩原 健一
サントリー株式会社山梨ワイナリー
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大井 一郎
サントリー株式会社山梨ワイナリー
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奥野 忠一
東京理科大学工学部
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