カトレアの生長と化学組成に及ぼす培養液濃度と培養土の影響
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概要
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本試験は培養液の濃度と培養土がカトレア Cattleya hybrid, C.Ray Park×Lc.Oakland‘MARIA’AM/AOSの生長と化学組成に及ぼす影響を調べる目的で行ったものである.1. ボラに植えたカトレアに窒素, リン, カリウム,カルシウム, マグネシウムの濃度がそれぞれ231, 46.5,117, 80.1, 12.2ppmである培養液を標準培養液とし,窒素, リン, カリウムの濃度を1/3, 2/3, 1, 4/3倍とした培養液を与えた. カルシウム, マグネシウム, 微量要素は同じ濃度とした. 標準培養液によるカトレアの新鮮重増加率がもっとも大きかった. 4/3倍濃度の培養液で根の生長がやや抑えられた. 培養液の濃度の増加にともない葉中の窒素, リン, カリウムの含有率が高くなる傾向があった.2. カトレアを5種の培養土に植え, 標準培養液の1/3倍濃度の培養液で栽培した. 使用した培養土は次の通りである: ボラ+ピートモス(3:1)混合土, 同(2:1)混合土, 同(1:1)混合土, ヘムロックバーク, 水ごけ.ボラ+ピートモス(1:1)混合土植えのカトレアは新鮮重増加率が高かった. 根の生長もよかった. 葉の窒素,リン, カリウム, カルシウム, マグネシウムの含有率はそれぞれ1.20, 0.17, 1.86, 1.14, 0.92%であった.水ごけ植えのカトレアはボラ+ピートモス(1:1)混合土のカトレアに比べ根の生長がわるく, 株全体の新鮮重増加率も低かった. 葉の窒素, リン, カリウム, カルシウム, マグネシウムの含有率はそれぞれ1.26, 0.18,2.11, 1.10, 0.57%で, マグネシウムの含有率がボラ+ピートモス(1:1)混合土植えのカトレアより低かった.ヘムロックバーク植えのカトレアの葉は濃緑色で外観はよかったが, 水ごけ植えのカトレアと同様, 根の生長がわるかった. 葉の窒素, リン, カリウム, カルシウム, マグネシウムの含有率はそれぞれ1.49, 0.19, 2.44,0.87, 0.50%で, 水ごけ植えのカトレアと同様マグネシウムの含有率が低かった.
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