接ぎ木•自根キュウリの茎切除後にみられる木部液のいっ泌率と無機成分濃度の経時的変動
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概要
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フィシフオリア台の接ぎ木キュウリと自根キュウリの養水分吸収に関する知見を得るため, 茎切除直後から1時間ごとに木部いっ泌液を採取し無機成分の分析を行った.いっ泌率は接ぎ木•自根とも最初の採取時で最も高く, 採取時間が経過するにつれて急激に低下した. しかし, いっ泌率には日変化があり, その最大は茎切除の時刻に関係なく午後1時から3時の間に, 最小は午前7時から8時の間に認められた. 接ぎ木キュウリにおける日変化の振幅は自根キュウリのそれより小さかった.最初採取時のいっ泌率およびいっ泌液のNO3-N, P, Ca および Mg 濃度は接ぎ木キュウリで高かったが, K 濃度は逆に自根キュウリで高かった. これら成分の濃度は採取時間の経過とともに大きく変動した. NO3-N, K および Ca 濃度は接ぎ木•自根とも茎切除後数時間で急激に低下し, P 濃度は急激に上昇した. Mg 濃度の変化は小さかった. さらに時間が経過すると, 接ぎ木キュウリの NO3-N と K 濃度は培養液の濃度以下となったが, 自根キュウリの NO3-N と K 濃度は培養液の濃度以下とはならなかった.以上の結果より, 接ぎ木キュウリの養水分吸収はKを除いて自根キュウリのそれより優れるものと思われた. また, 接ぎ木キュウリの根キ NO3-N と K 吸収は, 自根に比べて茎葉から送られる代謝産物により強く依存しているものと思われた.
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