源助ダイコンの生育ならびに空洞発生におよぼす高地温と低地温処理時期の影響
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概要
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夏の高温期に源助ダイコンを栽培すると, 根部の中心部が縦に空洞となる空洞症が多発するが, この主原因は栽培期間中の高地温であると考えられた. 本実験では, 異なった生育期間の高地温と低地温処理が生育と空洞発生におよぼす影響について調べた.1. 高地温処理実験では全生育期間のうち15日間を高地温処理し, 残りの45日間を低地温処理した. この結果, 播種から播種後15日目までを高地温処理した区を除き, 15日間ごとの根重増加量は高地温処理をすると小さくなった. 空洞発生根は播種後16日目から30日目までを高地温処理した場合に最も多くなった.2. 低地温処理実験では全生育期間のうちの15日間を低地温処理し, 残りの45日間を高地温処理した. その結果, 播種後16日目から30日目までを低地温処理すると, その期間の根重増加量は大きくなり, 空洞発生根はまったく認められなかった.3. 低地温処理区で生育したものは, 2次形成組織の発達もよく, 根部の中心部に発生し, 将来空洞となる破生間隙が桑細胞でうめられつつあったが, 高地温処理区で生育したものではまったくうめられていなかった.以上より, 空洞発生の原因について以下のように推論することができる. 根部中心部の2次形成組織の形成が, 特に播種後16日目から30日目までの高地温により阻害され, その組織より派生する柔細胞が増殖しなくなる結果, 根重の増大は減少し破生間隙がうめられず, その後の根部の肥大とともにその間隙は空洞へと発達する.
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