シンビジウムの花粉形成ならびに「花飛び」現象に及ぼす高温およびGA3の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
「花飛び」現象を誘起する高温の影響と花粉形成段階との関係を明らかにするため, 花らいの外花被長と花粉形成段階との相関を小型シンビジウムのサザナミハルノウミを用いて調べた.<BR>1.花らいの着生位置によらず, 減数分裂期までは両者に密接な相関のあることが明らかとなった. 胞原細胞期にあった花らいは, 高温 (昼30°C/夜25°C) では減数分裂過程に入ることなく枯死し, 前減数分裂期のものは減数分裂をした後, 種々の段階で枯死した.<BR>2.花粉形成が減数分裂期まで進んだ花らいは, 高温でも「花飛び」を起こさず, 正常に開花した.<BR>3.GA3処理は低温の不足を補完し, 減数分裂細胞分化や花粉形成, 花らいの正常な発育•開花を誘起した.<BR>4.これらの結果から, 少なくとも前減数分裂期には20°C以下の低温が減数分裂細胞分化や花粉形成, 花らいの発育のために必要であることが示された.<BR>5.小胞子は同一やく内においてさえ, さまざまな配列型を示した. 1核性小胞子と2核性小胞子とでは,各配列型の存在比率に差が見られた. 前者は対照区およびGA3処理区の「花飛び」を起こした花らいで見られ,大部分が二分子で四分子の比率は低かった. 後者は「花飛び」を起こした対照区の花らいとGA3処理により開花した花で見られ, 四分子の比率が二分子よりかなり高かった. しかし, これらの四分子における各配列型の比率は「花飛び」の発生やGA3処理により変化しなかった.
- 園芸学会の論文
著者
関連論文
- シンビジウムの花色発現に及ぼす温度の影響 : (第2報)培養花弁のアントシアニン蓄積に及ぼす温度の影響について
- シンビジウムの花色発現に及ぼす温度の影響 : (第1報)アントシアニン蓄積に及ぼす温度の影響ならびに主要色素の定性について
- ナス果実の生長に伴うインドール酢酸(IAA)含量とショ糖代謝関連酵素の変動
- メロン果実の生長に対するインドール酢酸(IAA)および酸性インベルターゼの役割
- シンビジウムの「花飛び」現象に関する研究 : (第13報)アミノエトキシビニルグリシンによる花飛び現象の抑制
- 高温条件下におけるホウレンソウ種子の発芽に及ぼす果皮の抑制作用
- シンビジウムの花色についての研究 : (第1報)花被中のアントシアニンについて
- シンビジウムの花粉形成ならびに「花飛び」現象に及ぼす高温およびGA3の影響
- シンビジウムの「花飛び」現象におけるエチレンの関与について
- 露地栽培巨峰ブドウのCCCによる一番果の発育制御及び二番果の誘導
- 巨峰ブドウの新梢及び副梢における伸長•肥大のCCCによる生長制御
- シンビジウムの花蕾における呼吸変化と「花飛び」現象との関連について
- シンビジウムの花茎伸長における花器官および植物ホルモンの役割について