シンビジウムの「花飛び」現象におけるエチレンの関与について
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概要
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小型シンビジウムの交配種サザナミハルノウミを用い, 「花飛び」現象にエチレンが関与しているかを調べた. エチレン発生剤のエセフォン (50ppm) は花らいの発育ステージに関係なく「花飛び」現象を誘起した.1mMチオ硫酸銀 (STS) および50ppmジベレリン酸(GA<SUB>3</SUB>) はいずれも高温による「花飛び」を回避させたが,両者の作用性には顕著な差異が見られた。すなわち,STSの効果はエセフォン処理により打ち消されなかったが, GA<SUB>3</SUB>の効果はエセフォン処理により消失した. さらに, STS処理区の花序は対照区の花序より多量のエチレンを発生したが, GA<SUB>3</SUB>処理区ではそのエチレン発生量は対照区よりも少なかった. 以上の結果から, STSはエチレンの作用を抑制することにより, GA<SUB>3</SUB>はエチレンの生成を抑えることにより, それぞれ「花飛び」を回避させたものと推察され, 高温によるシンビジウムの「花飛び」現象にエチレンが関与していることが示された.
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