休眠期のイチゴの株に与えた低温処理が葉柄の表皮細胞長と表皮細胞数に及ぼす影響
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概要
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休眠期のイチゴ女峰, 宝交早生および盛岡16号(休眠打破に必要な低温要求量がそれぞれ, 少ない, 中間および多い) の3品種を供試した. 1989年11月1日に4°/3°C (昼/夜) •12時間日長下で0, 18ないし37日間低温処理した後, 24°/20°C (昼/夜) •12時間日長に移した (高温処理).<BR>1.低温処理しない場合 (対照区), 女峰は高温処理下で展開する葉の葉柄長と葉面積が上位葉ほど増加する傾向を示した. しかし, 他の2品種では女峰ほど顕著に増加しなかった.<BR>2.低温処理した株では, 葉柄長, 葉柄の平均表皮細胞長 (葉柄の細胞長) および葉面積が, その後の高温処理下で上位葉ほど増加した。これらの値は高温処理開始後3番目 (E-3) から6番目 (E-6) にかけて出葉する葉で最大値を示し, それより上位葉では減少した. しかし, 葉柄長当たりの表皮細胞数 (葉柄の細胞数) は, 供試した品種や低温処理期間によらず上位葉ほど増加した.<BR>3.低温処理した株では, 対照区の株と比べて, どの葉位でも葉柄長が長くなった. これは, 前者では後者にくらべ主に細胞長が増加したことによるものであった. しかし, 上位葉では葉柄長の増大に対する細胞数増加の寄与率が高くなった.<BR>4.低温処理により, 低温処理を開始した時点で分化していた葉の葉柄だけでなく, 高温処理開始後に分化する葉の葉柄長も対照区より増加した.
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