一季成り性イチゴにおける炭水化物の蓄積におよぼす着果と摘花の影響
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概要
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一季成り性イチゴ品種八千代を出らい時に摘花する区 (摘花区) と着果区に分け, 25°/20°C (昼/夜)の温室内で育てた (高温処理) 剤高温処理を開始してから0, 62 (果実収穫終了時) および124日後 (実験終了時) に採取した.<BR>1.高温処理開始後62日目までに展開した葉の葉数は処理間で差が認められなかった. しかし, その後の62日間で展開した葉の葉数は, 摘花区のほうが着果区より2枚多かった.<BR>2.高温処理開始後62日目までに展開した葉の葉柄長は, 処理間で差が認められなかった. しかし, その後に展開した5枚の葉の葉柄長は, 摘花区より着果区のほうが短くなった.<BR>3.着果区では, 高温処理開始後62日目までの間に白色あるいは薄茶色の根の乾物重が減少したが, 摘花区では変わらなかった. 一方, 黒色の根の乾物重は両処理区とも徐々に増加したが, 高温処理開始後最初の62日間の増加は着果区のほうが摘花区より大きかった.<BR>4.果実は光合成産物に対して最も大きなシンク器官であった. 本実験では14個の果実を着果させただけであったが, 果実収穫終了時には果実重が乾物重全体の31%を占めた.<BR>5.高温処理開始後62日目における栄養生長は, 着果区のほうが摘花区より大きく阻害されていた. しかし, 果実を含めた全乾物重で比較すると, 処理問で差は認められなかった. これとは反対に, 実験終了時における全乾物重は, 摘花区より着果区のほうが小さかった.<BR>6.クラウンの還元糖濃度を除けば, 両処理区とも高温処理開始後62日目までの間に炭水化物濃度が急激に低下した. 果実収穫終了時では, 栄養生長器官の可溶性糖濃度は処理間で差がなかった. しかし, デンプンの蓄積は, 着果区のほうが摘花区より大きく阻害された. 実験終了時における栄養生長器官のデンプン濃度も摘花区より着果区のほうが低かった.
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