トマトの体内水分と器官間水分競合との関係
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概要
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結実期のトマト各器官の水分状態ならびに各器官への水移動速度と各器官の肥大•収縮との関係を,黄色土を用いて土壌水分減少過程で同時計測した.<BR>1.各器官間の水ポテンシャルの関係は土壌の水分状態により異なり,土壌水分が十分に存在する条件下では,朝夕は茎>葉>果実であったのに対し,日中には茎>果実>葉となった.しかし,土壌水分が極度に減少したpF2.8(-0.062MPa)以上では,終日,果実>茎>葉であった.<BR>2.土壌水分吸引圧がpF2.8以上では各部位における水移動速度は極端に小さかった.<BR>3.土壌水分吸引圧がpF2.8以上では葉と茎の水ポテンシャルが極端に低く両者が果実の水ポテンシャルよりも低下した時点から果実の収縮が始まった.この時点で果実から茎への水の流出が始まったものと考えるが,本実験で用いたヒートパルス法ではそれをとらえることができなかった.
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