温室栽培トマトの葉の水ポテンシャルの個体間変異とその影響因子
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
体内水分状態に基づいた温室トマトのかん水方法を確立するために,促成作型において葉の水ポテンシャルの個体間変位とその影響因子について調査した.<BR>栽植位置による葉の水ポテンシャルの変動係数は,畦内および畦間とも15~25%の範囲に分布した.葉位による葉の水ポテンシャルの変動係数は,5~20%の範囲内に分布した.小葉による葉の水ポテンシャルの変動係数はさらに小さく,4~10%の範囲に分布した.<BR>栽植位置による葉の水ポテンシャルの変異には,気温と風速が大きく関係していた.照度,相対湿度ならびに土壌水分の変化は,葉の水ポテンシャルの変異の原因としては小さなものであった.<BR>葉の水ポテンシャルをかん水開始の指標にするには,1温室内で3株測定すれば十分であった.その時の調査株は温室全体を代表するように選定し,最上位展開葉の下5葉目の葉の最も基部の小葉が水ポテンシャルの測定に適していた.<BR>さらに,土壌水分が一定でも葉の水ポテンシャルは日変化を示したので,測定時刻を決める必要があり,早朝の測定が適していると考えられた.
著者
関連論文
- 温室栽培トマトの葉の水ポテンシャルの個体間変異とその影響因子
- 体内水分状態あるいは土壌水分状態に基づいてかん水された施設栽培トマトの生育
- 環境条件がトマトの体内水分状態に及ぼす影響
- プレッシャーチャンバー法のトマト小葉への適用
- トマトの体内水分と器官間水分競合との関係