春播ニンジンの出芽および生育収量に対する播種前種子処理の影響
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概要
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ニンジンにおいて, 無処理および浸種, プライミング, 催芽, プライミング後催芽の各播種前処理を行った種子を, 3月下旬から4月上旬の間に3回播種し,出芽, 生育および収量に対するそれらの播種前種子処理の影響について比較検討した.<BR>播種前種子処理により出芽率は向上しなかった. 比較したすべての播種前種子処理により平均出芽所要日数は短縮された. 播種前種子処理による平均出芽所要日数短縮の効果は, プライミング後催芽>プライミング>催芽>浸種の順に処理効果が高く, これは既報のポット試験における低温期の実験結果と同様の傾向であった.<BR>初期あるいは中期までの生育は, プライミング後催芽区が最も優れ, 次にプライミング区も無処理区より優ったが, 浸種区および催芽区では無処理との有意な差が認められる場合と認められない場合があった.<BR>収量調査を行った2回の播種試験のうち, 早い播種(4月4日) において, 平均肥大根重および50g以上の肥大根数の比率は, プライミング後催芽区およびプライミング区では無処理より大きかった. 遅い播種(4月11日) において, 平均肥大根重および50g以上の肥大根の比率は, いずれの播種前種子処理区でも無処理区との有意な差が認められなかった.<BR>低温条件下で播種されるニンジンにおいて, 最も増収効果が期待される播種前種子処理は, プライミング後に催芽をあわせて行う処理であると考えられた.
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