シンビジウムのPLB内部組織の培養による不定胚の形成
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概要
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シンビジウムのプロトコーム様球体 (PLB) から表皮系組織を切除し, 残りの内部組織切片 (IT) を外植体として用い, これをNAA (2 mg•1iter<SUP>-1</SUP>) または2,4-D (0.5mg•liter<SUP>-1</SUP>) を添加したMS培地 (カルス誘導培地) で培養すると, 約10日から30日の間にカルスが形成された. このカルスは, 植物ホルモンを添加しないMS培地 (継代培地) に移植し約1か月間培養すると, 1個のプロトコームを形成し, 3か月後に幼植物体を再生した. カルスを継代培養せず, そのままカルス誘導培地で培養し続けると, カルスは,その後成長することなく, 培養開始後約2か月で褐変枯死した.<BR>カルスをBA (0.5mg•liter<SUP>-1</SUP>) とNAA (0.1mg•liter<SUP>-1</SUP>) を添加したMS培地に移植し培養すると, 1か月のうちに紐様の分岐した器官を形成したが3か月以内に枯死し, 個体再生はみられなかった.<BR>カルス形成からプロトコーム形成までの過程をパラフィン切片により組織学的に観察した結果, IT切片をカルス誘導培地上で5日培養すると, カルスが外植体の基部側の維管束細胞から発生し, 培養10日後には球状カルスとなり, 初期の不定胚の形成が観察された. 培養15日~30日後には, 多細胞の不定胚の形成がみられ, これが継代培地に移植後プロトコームに発達することが確かめられた. カルスは外観では球状で脆く, 淡黄色を呈し, 組織切片でみると細胞は小さく,球状核をもち, 原形質が濃く染色され, エンブリオジェニック•カルス (EC) の諸形質が認められた.
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