シンビジウムの PLB 外部表皮系組織片の培養における NAA と BA の PLB 形成への影響
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概要
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PLBのOT(外部組織体)外植体はホルモンフリーのMS培地, BAを単独に添加した培地ならびにBAとNAAを組み合わせた培地ですべて直接的にPLBを形成した.OT外植体からのPLB形成はホルモンフリーの培地に比べて, BAあるいはBAとNAAの組み合わせ処理区においてより早かった.Cym. Thanksgiving 'Nativity'では, PLB形成率はNAAとBAの組み合わせ処理区, 0.5, 5.0μMと2.5, 5.0μMで77.5%と有意に最も高く, Cym. Lucky Rainbow 'Lapine Dancer'ではBA 2.5μM単独処理区で73.7%と有意に最も高かった.一方, NAAを単独で添加した培地ではPLB形成が有意に抑制された.形成されたPLBの大きさと数の間には, 両ホルモン単独の濃度処理の場合, 'Nativity'でr=-0.893, 'Lapine Dancer'でr=-0.843と強い負の相関関係があった.全般的に, BAは小さなPLBを多数形成させるが, NAAはPLB形成そのものを抑制した.しかしNAAは形成されたPLBを大きくする傾向があった.NAAとBAの組み合わせ処理区では, 形成されたPLBの数と大きさでは概してNAAの作用性がBAよりも優位に働く傾向があった.今回の研究から, PLB形成において植物ホルモンのNAAとBAのそれぞれに固有な作用性が, PLBの形成率, 形成数と大きさの3つの観点から明らかに区別できた.
- 園芸学会の論文
- 1999-01-15
著者
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