脳卒中回復期患者経口摂取例における安静時エネルギー消費量
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概要
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【目的】脳卒中患者の回復期での栄養療法の基準に関する報告は少ない.今回我々は回復期リハビリテーション目的で入院した初回脳卒中患者の安静時エネルギー消費量 (以下REE) を測定し,ハリス・ベネディクトの式より算出した基礎エネルギー量 (以下BEE) と比較した.【対象ならびに方法】対象は当院に入院した初回脳卒中患者76 名 (年齢45〜95 歳,平均69.1±11.9 歳)である.性別,病型,麻痺側,発症からREE測定日までの期間,嚥下障害の有無,麻痺の重症度を診療録より後方視的に調査した.REEは携帯用簡易熱量計を用い,2 時間の安静後3 分間の測定を計3 回行い,平均値を算出し,BEEと比較した.【結果】REEの平均値は1231.3±245.7 kcal/day,計算上のBEEの平均は1185.6±177.7 kcal/dayであり,両者に有意な差を認めなかった (paired t-test).REEをBEEで割った値の平均は104.3±16.4%であった.男性と女性,脳出血と脳梗塞,テント上とテント下,右片麻痺と左片麻痺,嚥下障害の有無の比較では,REE/BEEは有意な差を認めなかった.麻痺の重症度,ADLの介助量での層別化でも同様であった.【考察】回復期患者のREEは計算上のBEEはほぼ同等であり,これは回復期の脳卒中患者の栄養量,ストレス係数を決定する上で参考となる結果と考えられた.
著者
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大塚 友吉
独立行政法人国立病院機構東埼玉病院リハビリテーション科
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里宇 明元
慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
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里宇 明元
慶応義塾大学 大学院理工学研究科
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里宇 明元
慶応義塾大学 リハ医学 教室
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川上 途行
慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンターリハビリテーション科
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里宇 明元
慶応義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター
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川上 途行
独立行政法人国立病院機構東埼玉病院
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和田 彩子
独立行政法人国立病院機構東埼玉病院
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堀江 温子
独立行政法人国立病院機構東埼玉病院
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大塚 友吉
独立行政法人国立病院機構東埼玉病院
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