草津自根火山起源, 熊倉軽石層の噴出年代
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概要
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草津白根火山東麓の群馬県六合村熊倉遺跡では, 浅間―草津黄色軽石 (約1.1〜1.2万年前) の上位の黒ボク土中に, 3層準にわたって示標テフラ層の堆積が認められた。そのうち粗粒軽石を含む中位のテフラ (IIIb層) は, 鉱物組成や斜方輝石の屈折率の点で, 従来知られている完新世の浅間火山起源のテフラとは異なる特徴をもつ。このテフラは, 軽石の最大粒径値の分布から草津白根火山の山頂部にある白根火砕丘を給源とすることが判明した。本稿では, このテフラを新しく「草津白根―熊倉軽石層 (略称: KS-Ku)」と呼ぶことにする。KS-Kuの噴出年代は, 下位の浅間火山起源のテフラ (約5,400年前) や鬼界アカホヤ火山灰 (約6,300年前) との層位関係から, 約5,000年前と推定される。
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