強制運動負荷がラットの睡眠に及ぼす影響について

概要

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慢性電極を施した生後13週令の Wistar 系雄ラット8頭を用いて, 3時間の強制運動負荷前・後の24時間ポリグラムを記録し, 身体的負荷がその後の睡眠に及ぼす影響について検討し, 次の結果を得た。1. 平均PS潜時は, 運動負荷前に比して運動負荷後に有意な延長 (P<0.001) が認められたが, LS, DSの各睡眠潜時には有意差がみられなかった。2. 全記録時間に対する各睡眠期の割合については, LSでは運動負荷前に比して運動負荷後に有意差はみられなかったが, 運動負荷後にDSの有意な増加 (P<0.05), とPSの有意な減少 (P<0.001) が認められた。3. また, 全睡眠時間に対する各睡眠期の割合も上記と同様の傾向が示された。4. 各睡眠における記録開始から1時間毎の出現率をみると, PSは運動負荷前に比して運動負荷後約6時間にわたって抑制される傾向がみられたが, その後は差がみられなかった。5. 運動負荷前および運動負荷後ともに, PSとDSの1時間毎の出現率はいずれも明期に多く, 暗期に少ないといった Circadian rhythm がみられたが, LSについては, このリズムが認められなかった。以上の成績から, 肉体的な疲労回復におけるDSの重要性が示唆された。