<I>In vitro</I>および<I>In vivo</I>における亜セレン酸によるラット水晶体蛋白の分解と凝集物形成について
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概要
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幼若ラットに亜セレン酸ナトリウムを1回皮下投与し,白内障を誘発した。この亜セレン酸誘発性水晶体毒性はグルタチオン合成抑制剤の前投与により増強された。SDS-ポリアクリアミドゲルを用いて,電気泳動分析した結果,白内障水晶体中に高分子蛋白凝集物質と蛋白分解物質の存在が分かった。さらに水溶性水晶体蛋白に亜セレン酸ナトリウムを加えて3日間インキュベションすると,水晶体蛋白液の混濁度の増加,SH基含量の減少および高分子蛋白凝集物質と蛋白分解物質の出現が認められた。<BR>以上の所見から,亜セレン酸ナトリウムは水晶体蛋白のSH基の酸化を起こし,水晶体蛋白の変性および不溶性高分子物質形成をもたらし,白内障を誘発するものと考えられる。
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