兄の発話における非流暢性が弟の流暢性獲得過程に及ぼす影響
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概要
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本研究の目的は兄の発話の非流暢性が弟の流暢性獲得過程に及ぼす影響を検討することである.対象は1組の3人兄弟であった.長男は吃音児であり, 次男と三男はともに6歳に至る前にそれぞれ一時高頻度の発話の非流暢性を示した.次男の非流暢性が顕著になったのは49ヵ月のときであり, 三男の場合は32ヵ月の時であった.それぞれの非流暢性が顕著になり始めた時期に, 遊び場面における3人兄弟の発話を収集し, 非流暢性について分析した.その結果, 以下の知見を得た.1) 次男の非流暢性が顕著になり始めた時, 次男の非流暢性の頻度分布は長男とは異なっていた.2) 同様に, 三男の非流暢性が目だち始めた時, 三男の非流暢性の頻度分布は長男とも次男とも異なっていた.<BR>これらの結果から, 兄の発話の非流暢性の影響は, 兄の非流暢性タイプが弟の非流暢性タイプにそのまま反映されるような直接的なものではない可能性が示唆された.
著者
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