ジー(α-ナフチル)チオカルバゾンについて : ジチゾン誘導体の合成とその分析化学的研究(第3報)
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概要
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題記試薬をBamberger法により合成し,その四塩化炭素溶液を用い,基礎的性質を検討した.試薬溶液の吸収スペクトルはエノル型によるといわれる450mμ付近の吸収を示さず,また,ケト型によるといわれる620mμ付近の吸収がいちじるしく長波長側に移行している.金属錯塩溶液の極大吸収波長はジチゾン錯塩溶液のそれに比しいずれも長波長側にある.ただし,Ag<SUP>+</SUP>,Cd<SUP>2+</SUP>錯塩は四塩化炭素に不溶性である.試薬,Hg<SUP>2+</SUP>錯塩,Cu<SUP>2+</SUP>錯塩溶液の各極大吸収波長における分子吸光係数としてそれぞれ,49.3×10<SUP>3</SUP>,51.5×10<SUP>3</SUP>,66.3×10<SUP>3</SUP>を,また,Hg<SUP>2+</SUP>,Cu<SUP>2+</SUP>錯塩の抽出係数としてそれぞれ22.14,8.31を得た.本試薬はAg<SUP>+</SUP>,Hg<SUP>2+</SUP>,Cu<SUP>2+</SUP>に対する反応選択性が高く,それぞれの分析試薬として用い得ると考えられる.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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