ケイ酸塩ガラス定量上の諸問題:とくに熱処理による影響について : ケイ酸塩の定量分光分析法に関する研究(第9報)
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概要
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ケイ酸塩のガラスの定量上の問題として熱処理にともなう輝線強度の変化を追求し,種々異なった温度域で熱処理をおこなうことにより輝線強度,分析線対比,限定線対比に変化があることを確認した.本報において用いた試料は板ガラス,ホウケイ酸ガラス,高ケイ酸ガラスである.<BR>本実験の主要点を要約すると,<BR>(1)板ガラス組成の急冷試料,徐冷試料について検討した結果,network modiferであるNa<SUP>+</SUP>は熱処理の影響を受けることを認めた.<BR>(2)ホウ酸ソーダガラスについて急冷(1000℃),550℃6時間,650℃6時間の熱処理を施して検討した結果,network former(Si<SUP>4+</SUP>,B<SUP>3+</SUP>)およびnetwork modifier(Na<SUP>+</SUP>)ともに熱処理の影響を受けることを認めた.<BR>(3)porousガラス,shrunkガラスについて影響をしらべたところ,porousガラスのようにSi-O結合が緩んでいると想像するならば気化されやすいと考えられるが,むしろ本実験結果では気化,励起されにくいのは多孔質構造にもとづくものであろう.しかし直流弧光によるとこれらの熱履歴の差にもとづく輝線強度の変化は認めめられなかった.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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