ホウケイ酸塩の分光分析におけるカルシウム,マグネシウム,アルミニウムなどの定量におよぼす共存元素の影響 : ケイ酸塩の定量分光分析に関する研究(第14報)
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概要
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著者は定量分光分析における共存元素の強度比におよぼす影響の原因を究明するために,結晶構造などによる影響のない種々のガラス状態の試料について系統的な研究をなし,総合的な観点から検討をおこなった.本実験の主要点を要約すると,<BR>(1) Li<SUB>2</SUB>O(Na<SUB>2</SUB>O)・B<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>・SiO<SUB>2</SUB>という組成の基礎ガラスにCaO, MgO, Al<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>, Fe<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>およびMnO<SUB>2</SUB>をそれぞれ加え,これらを定量する場合, BaO, PbO, ZnO, CdO, Na<SUB>2</SUB>OおよびK<SUB>2</SUB>Oが共存する場合における分析線対比および限定線対比の変化を検討し,影響の有無についてしらべた.すなわち,ガラス中に存在するBaOは分析線対比および限定線対比には影響をおよぼさず,共存元素の影響は考慮に入れる必要はないが, PbO, ZnO, CdO, Na<SUB>2</SUB>Oおよび K<SUB>2</SUB>O の存在する試料では分析線対比および限定線対比ともに影響を受け,限定線対比は小になり火花放電が弧光的になっていることがわかった.<BR>以上のことからこれらの元素の存在するときは,あらかじめこれらの元素を添加した標準試料を作製して限定線対比を一定にして定量をおこなう必要がある.<BR>(2) (1) により共存元素の影響があるときは常に限定線対比の変化が認められ,比強度法の原理が正しいことを再確認した.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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