溶液の発光定量分光分析における共存元素の影響 : ナトリウム,カリウムおよび亜鉛の影響
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概要
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本研究では,溶液法によるケイ酸塩定量上の諸問題のなかで共存元素が分析元素と標準元素との強度比におよぼす影響について検討した.その結果を要約すると<BR>(1)Li<SUB>2</SUB>O・(Na<SUB>2</SUB>O)・B<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>・SiO<SUB>2</SUB>という組成の基礎ガラスに鉄およびマンガンを加え,このガラスを酸で溶解して,鉄およびマンガンをreservoir-cupped centerpost改良電極を用いて,溶液法により定量する場合,アルカリまたは亜鉛のような蒸気圧の低い元素が共存する場合には,それらの存在により電極間隙の蒸気圧が低下し,分析元素と内標準元素との蒸発原子数が増大し,共存元素の影響が認められたものと考えられる.<BR>(2)しかし,ある濃度(Na<SUB>2</SUB>O500mg/100cc,K<SUB>2</SUB>750mg/100ccおよびZnO1000mg/100cc)以下に希釈することにより,共存元素の影響は無視できる程度になった.<BR>(3)限定線対比の値に共存元素の影響が認められないときは分析線対比の値にも変化が認められず,比強度法の原理の正しいことが再確認された.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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