陰イオン交換樹脂によるダイカスト用亜鉛合金の分析法 : アルミニウムおよび銅の定量法
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概要
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JIS規格第2種ダイカスト用亜鉛合金は塩酸に溶解後,アンモニア水を加えてAlとZnの一部を共沈させ,沈でんを遠心分離後HClにとかし,陰イオン交換樹脂(Dowex 2, Dowex 1-X8)を用いて2<I>M</I>塩酸酸性で塩素錯イオンの分布係数<I>K<SUB>d</SUB></I>の差により分離した.第1種ダイカスト用亜鉛合金の場合には,銅は2<I>M</I>塩酸酸性では<I>K<SUB>d</SUB></I>が小さくほとんど吸着されないので,Al,Cu,Znの一斉分離は困難であるので,アルコール-塩酸系溶媒による<I>K<SUB>d</SUB></I>の変化の差を利用して3者を分離した.メタノール-塩酸系溶媒における銅の塩素錯塩の生成の効果を吸収スペクトルにより検討し,更にアルコール-塩酸系溶媒における塩素錯塩の陰イオン交換樹脂に対する分布係数瑞を測定し,Al,Cu,Znの3者分離には65%C<SUB>2</SUB>H<SUB>5</SUB>OH-1.77<I>M</I>塩酸溶媒を用い,先ずAlを分離し,ついで2<I>M</I>塩酸でCuを分離した.Alの定量はアリザリンS指示薬を用いTh(NO<SUB>3</SUB>)<SUB>4</SUB>で逆滴定する方法,CuはMurexideを用いるEDTA直接滴定法で行った.誤差はAlは±2%で,重量分析値に比し,一般にやや低い値を示し,Cuはポーラログラフ法とよく一致した.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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