トリウムよりプロトアクチニウムの陽イオン交換樹脂による分離

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概要

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陽イオン交換樹脂を用いて,トリウムからプロトアクチニウムを容易に分離する方法が発見された.樹脂柱に吸着させた<SUP>234</SUP>Th(UX<SUB>1</SUB>)から1〜2<I>N</I>の硝酸または0.1〜0.7%のシュウ酸によって<SUP>234<I>m</I></SUP>Pa(UX<SUB>2</SUB>)が溶離される.これらの条件では樹脂柱上端に吸着された<SUP>234</SUP>Thは,ほとんど移動しない.溶離曲線から,分布率(<I>K</I><SUB><I>d</I></SUB>)を概算した.その結果,硝酸によって溶離されるプロトアクチニウムはおそらく1価の陽イオン,PaO<SUP>+</SUP><SUB>2</SUB>であると推定される.一方,シュウ酸による溶離では,0.1%付近の溶離剤の濃度でイオンの状態が変化すると推測される.さらに,この方法を用いて,<SUP>23</SUP><SUP>m</SUP>Pa(UX<SUB>2</SUB>)の核異性体である<SUP>234</SUP>Pa(UZ)を<SUP>234</SUP>Th(UX<SUB>1</SUB>)から分離することに成功した.
社団法人日本分析化学会の論文

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