N-ベンゾイルフェニルヒドロキシルアミンによる微量の鉄の吸光光度定量
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概要
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N-ベンゾイルフェニルヒドロキシルアミンと鉄(III)の錯体を微酸性溶液から抽出し,微量の鉄の比色定量法を検討した.抽出剤として四塩化炭素,クロロホルム,<I>n</I>-ブタノールなどをテストした結果,四塩化炭素を用いるとpH1.8〜6の範囲にわたって安定な,一定の吸光度を与え,その値も他の溶媒よりも大きい.スズ,バナジウム,チタン,モリブデンおよびタングステンなどは,ごく少量で定量を妨害するが,過酸化水素,酒石酸の添加によって,これを除くことができた.<BR>モル吸光係数は440mμにおいて5.07×10<SUP>3</SUP>であり,Sandellの表示法による感度は0.011μg/cm<SUP>3</SUP>である.操作は次のとおりである.<BR>5〜150μgの鉄を含む試料溶液に過酸化水素5m<I>l</I>,酒石酸1gを加え水で約30m<I>l</I>とする.酢酸ナトリウム(30%)でpHを2.5〜3に調整し,分液ロートに移して,水で50m<I>l</I>とする.これに0.2%BPHA四塩化炭素溶液10m<I>l</I>を正確に加えて2分間激しく振りまぜる.抽出相を吸収セルに移し440mμで吸光度を測定する.微量の鉄とバナジウムとの分離,定量が可能で,石油・重油中の鉄とバナジウムとの分離,定量を行なった.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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