N-ベンゾイルフェニルヒドロキシルアミンによる微量バナジウムの吸光光度定量法
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概要
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N-ベンゾイルフェニルヒドロキシルアミンとバナジウム(V)の錯体を硫酸溶液から抽出する微量バナジウムの比色定量法を検討した.この錯体を塩酸溶液から抽出している報告があるが,著者の試験では硫酸溶液から抽出するほうが安定性がよい.抽出剤として<I>n</I>-ブタノール,イソアミルアルコール,クロロホルム,酢酸アミル,酢酸ブチル,ベンゼン,<I>n</I>-ヘキサノール,トルエン,メチルイソブチルケトン,四塩化炭素などをテストした結果,感度は塩酸溶液からの抽出よりやや劣るが,クロロホルムでの抽出が呈色の安定性,抽出操作およびその性質から一番よいことがわかった.クロロホルムだけでなく,クロロホルムとエタノールの混合液(8:2)を抽出剤に使うとかなり感度が上げられる.感度はSandellの表示法によると0.013μg/cm<SUP>2</SUP>である.鉄,チタン,モリブデン,タングステンは定量を妨害するが,抽出前にリン酸を加えれば,石油製品やある種の鋼の分析には支障なく使えることがわかった.<BR>操作は次のとおりである.<BR>5〜150μgのバナジウムを含む試料溶液に約1.5<I>N</I>となるよう硫酸を加え,また,リン酸2〜5m<I>l</I>を加えて水で50m<I>l</I>とする.これに混合溶媒での0.2%N-ベンゾイルフェニルヒドロキシルアミン溶液10m<I>l</I>を正確に加えて2分間激しくふりまぜる.抽出層を吸収セルに移し440mμで吸光度を測定する.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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