セレン中の微量ヒ素の迅速定量
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概要
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従来のセレン中のヒ素の定量方法では,セレンとヒ素の分離操作に難点があり,操作が繁雑で,ヒ素が微量の場合には多量の試料を必要とし,結果が不正確になりがちであった.微量のヒ素の定量には,ヒ素をヒ酸塩とし酸性でモリブデン酸アンモニウムを加え,還元してモリブデン青としこれを測定する方法が広く用いられており,また,ヒ素のヘテロポリ酸を有機溶媒に抽出する方法,抽出後塩化第一スズなどで還元し,生じたモリブデン青を測定する方法なども行なわれているが,前者の方法ではセレンが共存するとヒ素の定量は行なえず,後者の抽出法でも多量のセレンが存在するとヒ素の抽出率がわるく,また,セレンがヒ素とともに抽出されてきてヒ素の定量を妨害する.<BR>著者らはこのヘテロポリ酸抽出法をセレン中のヒ素の定量に適用して直接抽出する方法を検討し,多量の亜セレン酸の共存のままでヒ素が完全に抽出される条件を求め,さらに簡単な洗浄によってセレンを水溶液層に移すことによってヒ素をセレンから完全に分離し,有機溶媒層に残ったヒ素のヘテロポリ酸を塩化第一スズ溶液により還元してモリブデン青を発色させ,これを測定する方法によってセレン中の数ppmのヒ素を迅速に定量することができたので報告する.本法によれば,まえもって種々の方法によりセレンを分離する必要がなく,試料溶液から直接ヒ素を抽出し,洗浄,還元と簡単な操作によって容易,迅速に定量を行なうことができる.本法の定量下限は0.0001%,所要時間は1〜2時間である.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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