メチルバイオレットによるレニウムの抽出吸光光度定量法
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概要
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メチルバィオレットを試薬として用い,過レニウム酸を有機溶媒に抽出するレニウムの吸光光度定量法について検討した.過レニウム酸は,pH 3〜7の広い水素イオン濃度範囲で試薬と1:1の化合物をつくり,芳香族炭化水素に抽出される.抽出された化合物は,可視部では610mμと543mμに吸収極大があり,前者の吸収のほうが大きいので,分析にはこれを利用する.抽出溶媒はベンゼンが最もよく,トルエンがこれにつぐ.ベンゼンを用いれば抽出率がよいだけでなく,モル吸光係数も大きく,9.4×10<SUP>4</SUP>を示すので,感度のよい定量ができる.分析に用いるためには,過剰の試薬が必要であるが,試薬が大過剰でも抽出は完全にはならない.微量の過塩素酸,フタル酸および四酸化オスミウム,数mg程度の硝酸,塩素酸,ヨウ素,チオシアンイオンなどが存在すると試薬と反応して抽出され,有機層を着色するので妨害となる.ほとんどの金属陽イオン,多価陰イオン,酢酸および塩素イオンは妨害しない.モリブデンおよびタングステンも4mg程度存在してもその影響は1%以下であり,モリブデンあるいはタングステンが200倍程度の存在のもとでも1〜20μgのレニウムが定量できる.
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