4-(2-ピリジルアゾ)レゾルシンによるチタンの吸光光度定量
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概要
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4-(2-ピリジルアゾ)レゾルシン(PARと略記)はチタン(IV)と鋭敏に反応して赤色の水溶性錯体を生成する.この錯体はpH3.2〜3.8において一定の吸光度が得られる.最大吸収波長は527mμにあり,この波長における分子吸光係数は2.1×10<SUP>4</SUP>である.この錯体の組成は[Ti]:[PAR]=1:2である.<BR>またチタンは過酸化水素の存在においてPARと赤色の水溶性錯体を生成する.この錯体はpH3.1〜3.9において一定の吸光度が得られるが,それより高いpHでは吸光度が徐々に増加しpH8付近において最大の吸光度が得られる.しかし吸光度が一定するpH範囲は得られない.最大吸収波長は510mμにある.この波長における分子吸光係数はpH3.5で1.4×10<SUP>4</SUP>,pH7.9では5.1×10<SUP>4</SUP>であり,これは著者の知る範囲ではほかの試薬に見られない高感度である.錯体の組成は[Ti]:[H<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB>]:[PAR]=1:3:3である.Ti-PAR錯体は0.24〜1.2μg/m<I>l</I>,Ti-H<SUB>2</SUB>O<SUB>2</SUB>-PAR錯体ではpH3.5の場合に0.24〜1.2μg/m<I>l</I>,pH7.9では0.12〜0.96μg/m<I>l</I>においてベールの法則に従う.妨害元素は多く,特に銅,鉄,コバルト,バナジウム,ニッケル,ビスマス,スズ,ジルコニウムなどが顕著である.しかし,過酸化水素が存在する場合はバナジウムはあまり妨害しない.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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