硫酸バリウムを酸化剤とする炭素定量法
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概要
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硫酸カリウム,硫酸ナトリウム,硫酸カルシウム,硫酸バリウムと無定形炭素混合物の示差熱分析と熱重量分析をヘリウムふんい気中で室温から1300℃まで行なった.これらの硫酸塩と無定形炭素は900〜1000℃で反応し,減量をともなった吸熱ピークを示した.同時に無定形炭素は二酸化炭素と一部一酸化炭素として抽出された.この反応を利用して炭素を定量しようとする場合,硫酸バリウムおよびその反応生成物(硫化バリウム)が熱的に安定であることから,用いる硫酸塩としては硫酸バリウムが最も適していると考えられた.無定形炭素,木炭,活性炭を硫酸バリウムと混合し,ヘリウムふんい気中で1200℃に加熱し,これらの炭素を定量したところ酸素ふんい気中で加熱する燃焼法の定量結果とよく一致した.しかし,黒鉛は酸化されにくく,低値を示した.この方法は無定形炭素のような単体炭素のほか炭化ウラン,炭化チタンのような炭化物炭素の定量にも適用できる.
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