シアン分解・溶媒抽出による微量チオ硫酸イオンの吸光光度定量法
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概要
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チオ硫酸イオンを含む試料溶液10m<I>l</I>に炭酸ナトリウム,シアン化カリウムおよび硫酸銅の溶液を加え,激しく振り混ぜて20分間放置するとチオ硫酸イオンは定量的にシアン分解する.次に硫酸鉄(III)アンモニウムの硫酸溶液を加えたのち,メチレンブルー溶液を加えてメチレンブルーとチオシアン酸イオンとのイオン対をジクロルニタンに抽出する.この有機相の吸光度を波長657nmで測定することにより,2.5×10<SUP>-7</SUP>〜12×10<SUP>-6</SUP><I>M</I>のチオ硫酸イオンを±1.1×10<SUP>-7</SUP><I>M</I>の誤差範囲内で定量することができる.本法では,銅(II)触媒の共存下におけるチオ硫酸イオンのシアン分解反応の条件を検討した.その条件はシアン化物や銅(II)の濃度,pH,反応時間および振り混ぜの影響を受け,pH7.4〜8.4ではチオ硫酸イオンからチオシアン酸イオンが化学量論的に生成されることがわかった.触媒として用いた銅(II)は顕著に妨害するが,鉄(III)を加えることによってその妨害を除去できた.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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