けい光X線分析法による工場排水中の微量カドミウムの定量
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概要
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排水中の微量カドミウムを迅速に分析するため,イオン交換膜で濃縮し,けい光X線分析装置を用いて直接Cd-L<SUB>α</SUB>線の強度を測定する方法を検討した. pH3〜4に調整した溶液に交換膜を浸し,約80分間振り混ぜた結果,1〜2000μgの範囲では99.5%以上の吸着を示した.交換膜を乾燥後,Cd-L<SUB>α</SUB>線の強度を測定し,0.3μgの検出限界を得た.さらに,0.5〜50μgのカドミウム含有試料について分析した結果,操作全体の標準偏差率は6%以内であった.一方,測定されたイオン交換膜中のCd-L<SUB>α</SUB>線強度に対する共存元素のマトリックス効果は,カドミウム量50μg以下では強度的に影響は認められず,補正の必要はなかった.カドミウム濃度とけい光X線強度の間にはよい直線関係が得られた.本法において10試料あたりの測定に要する時間は試料作製から分析結果を得るまで約120分であり,一度に多量の試料を処理できた.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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