シアナミドジチオ炭酸エステルおよびその関連化合物に関する合成的研究 : シアナミド誘導体に関する研究(第92報)
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概要
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シアノアミノ炭酸誘導体遊離物は一般に不安定で反応性に富むことが認められた。本研究ではメチルメルカプトカルボニルシアナミド (MCC) を対象として, この種の遊離酸の反応性を検討した。まず常温水溶液中の挙動を検討し, ジ- (メチルメルカプトカルボニル) -アミド (3) およびジ- (メチルメルカプトカルボニル) -シアナミド (4) を分離した。MCCは加熱時においては水およびアルコールとメルカプトカルボニル基で反応し, シアナミドおよびエトキシカルボニルシアナミド (6) を生成する。一方酸触媒存在下ではシアノ基の加水のみが進行し, メチルメルカプトカルボニル尿素 (5) が得られた.アニリンとの反応は両官能基において段階的に進行し, 室温においてはN-フェニル-N´-メチルメルカプトカルボニルグアニジン (8) のMCC塩が, またアルコール沸点においてはN-フェニル-N´-カルバモイルグアニジン (7) のMCC塩が得られた。本研究ではこれらの反応の機構をMCCの構造と関連させて考察した。
- 社団法人 有機合成化学協会の論文
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