パーキソン病に対するL-dopa長期治療の問題点に対するdrug holidayの効果について

概要

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L-dopa治療により,効果減弱, up-down現象,すくみ足など長期治療に伴う種々の問題点を生じたパーキンソン病患者に対し, 2週間の休薬後L-dopaを再開する.いわゆるdrug holidayを試み,その効果を臨床的観察並びに,運動のスピード,大きさの定量的記録により比較検討した.対象症例は6例で,臨床的観察にはWebsterのrating scaleを用い,定量的記録にはoculotrackerを利用した. drug holidayのやり方は,全ての抗パーキンソン剤を一斉に2週間中止する方法で行なつたが,これによる合併症は皆無で安全に行なう事ができた.休薬1週間目頃患者のADLは最も悪く,大部分ベッドに寝たきりとなつたが, 10日をすぎる頃より一部の症例では,症状の自然改善傾向を示し,再開後は,少量のL-dopaによく反応し,休薬前に見られたup-down現象,すくみ足は,消失又は軽減した. Oculotrackerによる手足の随意運動の定量的記録にても,休薬中に,運動のスピードや大きさが改善する症例のある事が証明され, L-dopa再開後は全ての症例において運動機能が休薬前に比して改善する事が客観的に証明できた.しかし,その後の外来観察ではこの様な改善を長期に維持する事ができず, 2ヵ月頃より一部の症例でup-downが出現しはじめ1年後には休薬前の問題が再発した.しかし,休薬によるL-dopaに対する反応の改善は,ドーパミン受容器の感受性の回復を示唆し, L-dopa治療の困難になつた症例に対し,一時的ではあるが改善をもたらす事が可能な一治療法であると考えられた.

パーキソン病に対するL-dopa長期治療の問題点に対するdrug holidayの効果について

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