消化器疾患と胃排出能第2報 : 抗コリン薬およびコリン作動薬の影響
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概要
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薬理学的に抗コリン薬,コリン作動薬と考えられている薬物を胃・十二指腸疾患患者に投与し,その胃排出能におよぼす影響を検討した.胃排出機能検査は第1報で述べたacetaminosphen法にておこなつた.検討した薬物は抗コリン薬としてbutropium bromide (BB),コリン作動薬として迷走神経刺激薬acetyllactoylcholine (TM)を使用した.消化性潰瘍活動期の抗コリン薬の胃排出能におよぼす影響は,投与量,投与方法の違いでその効果は異なり,大量投与の意味でのBB 2mg筋注では胃潰瘍,十二指腸潰瘍共に全例胃排出能の抑制が認められた(それぞれP<0.025, P<0.005),しかし少量投与の意味での同薬物内服5mg, 10mg, 15mgでは必ずしも一定の傾向はみられなかつたが,症例のなかで胃排出能の遅延例に対しては胃排出促進的に作用し,胃潰瘍例では10mg, 15mg,十二指腸潰瘍では5mg, 10mgの経口投与でその効果は有意性が認められた(P<0.05).一方十二指腸潰瘍例では15mg経口投与において胃排出能亢進例でいくらか胃排出抑制が傾向として認められた.コリン作動薬としての迷走神経刺激薬TMの胃排出能におよぼす影響は萎縮性胃炎患者を対象として検討した.胃排出能遅延症例において検討したTM12.5mg, 25.0mg, 37.5mg, 50.0mgの経口投与において有意の胃排出能の促進効果が認められた(P<0.05).又TM50.0mg経口投与においてその効果が大であつた.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
-
鈴木 荘太郎
東海大学医学部地域保健学
-
三輪 剛
東海大学医学部内科
-
原沢 茂
東海大学医学部内科学教室
-
谷 礼夫
東海大学医学部内科6
-
三輪 正彦
東海大学医学部内科
-
野見山 哲
東海大学医学部内科
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崎田 隆一
東海大学医学部内科
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原沢 茂
東海大学医学部内科
-
鈴木 荘太郎
東海大学医学部内科
-
谷 礼夫
東海大学医学部内科
-
三輪 剛
東海大学医学第第六内科
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