喀痰に於ける癌細胞分離蒐集法の研究 : 特に多暦式重暦遠心分離法の喀痰に於ける実施要点について
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概要
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喀痰における細胞診は,特に肺癌の診断に際し発見率が低く,為に重要視されなかつた点に鑑み,我々の考案せるアラビアゴム溶液による多層式重層遠沈法を用いて成績を向上せんと試みた.本法実施に際して注意すべきことは,喀疾に5〜10倍容の生食水を加えると同時に,喀痰1ccにつき5000単位のヒアルロニダーゼ(スプラーゼ)を加え均等な稀釈液とし,更に最初1枚,次いで4枚重ねの局方ガーゼで濾過することである.使用する喀痰量は遠心管の横断面積1cm2に対して約1ccとする.遠心器の回転数は3000〜5000r.p.m.とする.我々は本法を原発性肺癌患者の喀痰細胞診に応用して,従来の単純塗抹標本における陽性率を飛躍的に上昇出来た.よつて肺癌の診断に際しては本法は用うべき良法であると信ずる.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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