B型急性肝炎の経過中に溶血性貧血の合併をみた1症例
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概要
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19歳の女性で黄疸,全身倦怠感を主訴として受診し,トランスアミナーゼの上昇とHBs抗原およびIgM HBc抗体陽性によりB型急性肝炎と診断した.入院後,ベッド上安静にて経過は順調であった.HBs抗原は第27病日には陰性化し,HBs抗体は陽性化した.第37病日後,突然ヘモグロビン5.6g/dlとなり,網状赤血球の著増,LDH高値,ハプトグロビンの著減,骨髄の赤芽球過形成などからB型急性肝炎に溶血性貧血を合併したものと診断した.ステロイド投与や輸血は行わず,経過観察のみで貧血,肝障害ともに順調に改善した.B型急性肝炎に伴う溶血性貧血例は散見されるが,経過観察のみで軽快した症例を経験したので報告した.
著者
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坂口 正剛
福岡大学第1内科
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中山 幸一
福岡市医師会成人病センター
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内田 泰彦
福岡市医師会成人病センター
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奥村 恂
福岡大学第1内科
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竹中 国昭
福岡市医師会成人病センター
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北田 敏雄
福岡市医師会成人病センター
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