肝細胞癌に対するLipiodol-TAE療法の抗腫瘍効果の検討
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概要
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肝細胞癌のLipiodol-TAE療法の抗腫瘍効果について基礎的,臨床的に検討した.1)家兎VX<SUB>2</SUB>移植肝腫瘍;ADM血中濃度は,ADM単独動注に比べLipiodol (LIP)と懸濁すると半減期が長く,最高濃度は低下した.ADM肝組織内濃度はLIP懸濁液群では注入直後腫瘍部は健常部と差はなく,後に高値を示した.核医学的検索では<SUP>99m</SUP>TcO<SUB>4</SUB><SUP>-</SUP>単独注入時に比べ,<SUP>99m</SUP>TcO<SUB>4</SUB><SUP>-</SUP>・LIP懸濁液注入時の腫瘍部/心臓部と腫瘍部/健常部比が高値で,LIPの抗癌剤肝外流出の抑制効果と抗癌剤の肝内腫瘍における選択的停滞を示した.軟X線像上腫瘍に高集積が認められ,組織像では腫瘍血管内,形骸化しつつある腫瘍細胞,腫瘍壊死部にoil red-O陽性物質が多くみられ,LIPの抗腫瘍効果が示唆された.2)臨床例;Gelfoam-TAEに比べLipiodol-TAEはADM肝静脈内濃度の半減期が延長した.以上の結果よりLIPの抗腫瘍効果は,抗癌剤の腫瘍への選択的集積と徐放作用により発現されることが示された.
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