食道静脈瘤硬化療法後にチアノーゼを来した肺動静脈短絡を伴う肝硬変症の1例
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概要
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症例は38歳男性.昭和60年11月,肝硬変症と発赤所見陽性の食道静脈瘤を指摘され,昭和61年1月までに,他院にて内視鏡的食道静脈瘤硬化療法(EIS) 3回,経回結腸静脈胃食道静脈瘤塞栓術(TIO) 1回を施行された.昭和61年3月より労作時の呼吸困難出現し,同年6月当科に入院.入院時,労作時のチアノーゼとバチ状指が顕著で,大気吸入時動脈血酸素分圧は55mmHg. <SUP>99m</SUP>Tc-MAAによる肺血流シンチで,肺末梢の多発欠損像と脳・腎・甲状腺など肺以外の臓器への取り込みな認め,低酸素血症の原困として肝硬変症に伴う肺動静脈短絡が注目され,同時に算出した短絡率は73%と高値であった.EIS, TIOで静脈内に投与されたエタノール,トロンビンによる小肺梗塞の発症により,低酸素血症の増悪が推定された.
著者
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