ヒト肝癌細胞へのウシパピローマウイルスベクターを用いた遺伝子導入 : プラスミドのクローン化とその分析
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概要
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BPV (Bovine papilloma virus)は受容細胞において染色体外で複製増殖することが知られているが,その受容細胞はin vitroではげっ歯類に限るとされてきた.本研究では,BPV-1, β-アクチンプロモーター,CAT遺伝子からなるベクターをlinear DNAの状態(pYK8N2L)でヒト肝癌細胞(Mahlavu)にリン酸カルシウム共沈法を用いてトランスフェクトしたとろCATの発現を認め,染色体には組み込まれていなかった.この細胞内で複製増殖しているプラスミドをクローン化(pMYKと命名)しその制限酵素地図を作製した結果,もともとのプラスミドpYK<SUB>8</SUB>N<SUB>2</SUB>Lがdelesionを伴うrearrangementをうけていること,また,pMYKの塩基配列中にはMahlavu細胞のchromosomal DNA由来のものは存在しないことが明かとなった.BPV由来ベクターpYK<SUB>8</SUB>N<SUB>2</SUB>Lは,genome DNAへの組み込みを伴わない,ヒト肝癌細胞への遺伝子導入ひいては遺伝子治療への有用なベクターとなる可能性がある.
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