閉塞性黄疸におけるリポ蛋白異常に関する研究―リポ蛋白Xの生成機序を中心として―
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概要
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閉塞性黄疸患者のリポ蛋白X(LP-X)量は血清リン脂質(TPL)/コレステロール(Chol).比によく相関していた.閉塞性黄疸の際上昇するTPLは主にphosphatidylcholine(PC)であるので,血清にPCを加えた所,LP-Xとよく似た物質が得られた.またPC添加血清と赤血球を孵置すると,赤血球よりChol.が溶出し,殆んど全てLP-X分画に取り込まれていた.ラットで胆管を結紮すると,初期には血清TPLが,Chol.に比して優位に上昇し,続いて血清Chol.の急激な上昇,赤血球Chol.の低下,LP-Xの出現が同時におこっていた.PCをラットに静注すると高Chol.血症となり,上昇したChol.の約60%はLP-X分画に回収された.この際,肝Chol.合成能は高まっていた.以上より胆汁の主成分であるPCが血中へ逆流するため,生体膜よりChol.が溶出され,LP-Xが形成され,更に肝でもChol.を失うためChol.合成能が高まり,膜を介して血中へChol.を供給し,LP-Xの生成に寄与していると考えられた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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